僕のオッパイが
発情した理由

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◆スタッフ◆
製   作………(株)旦々舎
提   供………Xces Film
脚   本………山 崎 邦 紀
監   督………浜 野 佐 知
撮   影………小山田 勝 治
照   明………ガ  ッ  ツ
編   集………有 馬   潜
録   音………沼 田 和 夫
音   楽………中 空   龍
◆キャスト◆
佐藤裕美………愛 田 奈 々
燕   ………加 藤 ツバキ
雀   ………みおり   舞
鶴  橋………里 見 瑤 子
佐藤時枝………佐々木 基 子
佐藤裕美………津 田   篤
猿  渡………なかみつせいじ
犬  山………石 川 雄 也
牛  田………竹 本 泰 志
痴漢おやじ………荒 木 太 郎
◆ストーリー◆ 
 ぼくはここ数年アパートの一室に引きこもって、ほとんど人と会わない生活をしてきた。お金は母親によってぼくの口座に振り込まれ、小額だがそれで何とか暮らしてきた。
  ある朝、目が覚めると、どことなく身体がふらつき、気分が悪い。トイレに行って用を足したのだが、ふと股間を見下ろし、愕然とした。男性器が消えている!驚いて鏡を探し(ここ数年鏡なんか見たことがなかった)自分の顔を見ると、そこには知らない女の顔が映っていた。不細工なオタク顔のアンチャンだったはずが、並みを越えるかなりの美人。何が起こったのか、信じられないままに裸になってみると、豊かな乳房があり、股間にはこれまで実物を見たことなどなかった女性器があった。思わず凝視しているうちにムラムラしてオナニーしてしまう。男のときのオナニーとは比較にならない快感を感じたが、しかし、これはおかしな事態ではないだろうか。いつの間にか女になった自分が、女の自分の股間を見つめて欲情する。やっぱり自分は男だったのだ。
 男の服を着て、恐る恐る町に出たら、男たちが好奇の目で見る。中にはいきなり胸をムギュッと掴んでくるオッサンも。「やっぱり女か」男の時には感じなかった恐怖を覚え、部屋に逃げ帰る。
 ついインターネットの質問サイトで、目が覚めたら男が女になっていた、なんてことが有り得るのか質問してしまった。幾つか回答があったが、ほとんどは冷やかしや面白半分で、現実のこととは思っていない。しかし、二人だけ真面目に受け止めてくれる回答者がいた。
 一人は猿渡という男で、古来男が女になる病気はあり、それは選ばれた人だけの特権だから、今後の生き方についてアドバイスしたいというもの。もう一人は鶴橋という女で、現在の日本では放射能の影響により何でも起こり得る、男が女になるのは稀だと思うが、今後社会的に危険にさらされる可能性があると言う。一方は特権だと言い、もう一方は危険だと言うが、どちらも心惹かれるものだった。
 まずは猿渡に会うことにしたが、アパートを出ると後をつけてくる男がいる。オヤジに胸を掴まれた時に、驚いた顔でマジマジと見つめていたサラリーマン風の男だ。その男、犬山はぼくを男装した女だと思い込んだようだ。鶴橋も書いていたが、この社会で女であることは、こんなにも危ないことなのか。
 猿渡の家では、歴史的に男が女になった事例をレクチャーされ、これから完全な女として生きる技術を身につけなければならないと教えられた。セックスについて聞かれたので、これまで引きこもりの童貞だったから、具体的な生身の経験はまるでないと答えると、雲雀という若い女を紹介された。猿渡はぼくの目の前で雲雀とセックスし、男女のセックスが如何なるものであるか見せてくれた。それはぼくの想像を超えるものだったが、どうもヨガやインドの修行僧のセックスに近いものだったのではないか。ショックを受け、頭がボンヤリしたまま帰路につくと、またしても犬山がついてくる。陰湿な目でじっと見つめるだけで何を言うわけでもないが、気色が悪い。部屋に帰って、猿渡と雲雀のセックスを思い出しながら、オナニーしてしままうのだが……。