花と蛇
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▼スタッフ▲
原 作………団 鬼 六
プロデューサー…松 岡 明
企 画………五 味 春 雄
脚 本………田 中 陽 造
監 督………小 沼 勝
撮 影………安 藤 庄 平
照 明………木 村 誠 作
編 集………鈴 木 晄
録 音………片 桐 登司美
助 監 督………鴨 田 好 史
製作担当者………青 木 勝 彦
スチール………浅 石 靖
▼キャスト▲
遠藤 静子………谷 ナオミ
片桐 美代………藤 ひろ子
ハ ル………あ べ 聖
遠藤 千造………坂 本 長 利
片桐 誠………石 津 康 彦
課 長………八 代 康 二
緊 縛 師………高 橋 明
◇解 説◇
日活がロマン・ポルノを製作して二年半余、初の本格的サド・マゾ作品で、アブノーマルSEXを描かせては第一人者である流行作家団鬼六の原作「花と蛇」を映画化したものである。
女主人公には、特に出演を乞われてベテラン谷ナオミが主演、アブノーマルSEXが醸し出す妖しい雰囲気と迫力が観客を異様な興奮に誘い込む話題作である。
◇物 語◇
大人の玩具店をやっている美代は、敗戦のドサクサに、G・Iたちを相手に肉体を売って、一人息子の誠を育てあげた。誠は一流会社に就職、係長までになったが、幻ない頃、母を抱いていたG・Iを拳銃で撃って以来、勃起不能になり、いまだに独身で、僅かに、女の緊縛写真を眺めては自慰でまぎらわせていた。
そんなある日、誠は社長の遠山千造宅に呼びつけられた。
彼が恐るおそる訪ねて行くと社長の千造は、小間使いのハルを縛りあげ責めたてている真っ最中だった。一方、千造の妻の静子は鼻歌まじりで入浴中で、彼女は千造の欲求をハネつけることが多く、それが千造の不満でハルは彼の欲求のハケ口の犠牲者だった。
誠がブザーを押すと、何事もなかったかのように、彼は応接室に通され、静子を紹介された。静子が別室に去ると千造は誠に呼びつけた用件をもち出した。静子を縛って飼育してくれ、というのだ。驚いた誠は、一度は断わったが、千造が誠母子のことを調べ上げていて是非ともやるようにいわれ、渋々引きうけることになった。
慈善パーティの夜、手筈通り、静子が悪酔いしたのを介抱するふりをして、送り届けることになった誠は、社長宅へは行かず、静子を自分の部屋に連れこんだ。玩具売り場の地下室には、責め道具や、縛りの道具が完備していた。酔いつぶれている静子の美しさに誠が見とれていると美代が顔を出した。
「おや、何だいその女」「大切な預り物なんだ」「いい女だね。お前のコレかい」「違うよ」
初めは悲鳴だけの静子も、いつしか恍惚にのたうちはじめていた。彼女の変貌に、責めていた誠は興奮して思わず彼女を抱いてしまった。ようやく自分が女を抱けることを知った誠の感激。
翌日、静子のあられもない姿態を撮った写真を千造へ届けた。勿論、自分が彼女を抱いたことは秘密である。静子は、こうして誠によって飼育され、マゾの快感を知ったが、誠は彼女を仲々千造へ返そうとはせず、自分の玩具のように可愛いがるようになっていた