絶倫海女
しまり貝

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◆スタッフ◆企   画……………植 木   実
脚   本……………池 田 正 一
監   督……………藤 浦   敦
撮   影……………水野尾 信 正
照   明……………内 田 勝 成
美   術……………中 沢 克 己
編   集……………鍋 島   惇
録   音……………福 島 信 雅
音   楽……………ジミー 時 田
助 監 督……………北 村 武 司
製作担当者……………作 田 貴 志
現   像……………東映ラボテック
◆キャスト◆
由 美……………清 里 めぐみ
芙 佐……………伊 藤 久美子
愛 子……………志 水 季里子
奈 津……………よしの まこと
香 織……………小 川 亜佐美
よし乃……………藤   ひろ子
ナ ミ……………章   文 栄
修 司……………永 野 真 大
順 平……………大 谷 一 夫
松 永……………野 上 正 義
剛 三……………萩 原 賢 三
文 三……………橘 家 二三蔵
社 長……………立 川 談 志
◆解説◆
 ニュー・アイドル清里めぐみを擁して「くいこみ海女・乱れ貝」から3年ぶり、リフレッシュした海女シリーズが帰ってきた!
 観光開発でゆれ動く風光明媚な海辺の町を舞台に、女子大生の網元の娘と海女たちが繰り広げる、『色と欲』がらみのひと夏の騒動を、人情噺風に描くシーサイド・エロス。逞しくも大らかに生きる海の女たちの、大胆素敵な、褐色のエロチシズムを謳いあげます。
 にっかつゴールデン・ウイーク作品「みんなあげちゃう」の公開オーデションで、『ヤングジャンプ賞』『読者審査員賞』と見事二つの賞を独占して話題をよんだ新星・清里めぐみが、初のロマンポルノ主演に抜擢され、まだあどけなさの残る顔に似合わぬグラマラスな肢体を、惜気もなく披露している。
 演出は『温泉もの』『海女もの』など風俗艶笑喜劇なら独壇場の藤浦敦、久々の海女シリーズ復活に意欲を見せている。
◆ストーリー◆
 夏の陽光きらめく漁師町。網元の一人娘で女子大生の由美は、久し振りに東京から戻って来た。由美は同じ頃町にやって来た青年・修司と、ふとしたことから知り合う。修司は近くの民宿に宿をとり、そこの手伝いをして何日か過ごすようだった。海女の芙佐や愛子、奈津たちの仕事場の傍の岩場の崖上から、花束を投げては黙祷している修司の姿が、しばしば見かけられるようになった。
 町は東西観光開発が進出しようとしている真最中。その先兵である松永不動産が、海岸一帯を大レジャーセンターにすべく、地元の若者・順平や文三を使って、漁業権や土地の買収に乗り出していた。松永不動産の社長・松永は、密かに多額の負債を抱える網元の剛三に目をつけた。金を融資し、次回町長選挙の後押しをする代りに、全権委任状を渡すよう働きかける。最初は返事を渋っていた剛三だが、旅館に長逗留している都会の女・香織との再婚話や、由美のアメリカ留学の話が持上ると、途方に暮れて松永に電話をかけてしまう。香織が、実は松永の女で、地元買収のために送り込まれた女だとは露知らず……。
 順平は以前は真面目な漁師だったが、松永の手下になってからは人が変わった。甘い話を目の前にちらつかせては、色仕掛けで愛子や奈津を籠絡する毎日を送っている。そんな順平に、かつて結婚の約束を交わした芙佐も嫌気がさし、やがて遠去かって行った。それでもまだ未練の残る順平は、芙佐に付きまとい、ある日浜辺で襲いかかろうとするところを、修司に邪魔される。その時、傍にいた由美から「元々恋人同士なんだから放っとけばよかったのに」と椰揄され、それがきっかけとなり、修司は由美と結ばれた。若さを貪り合うような二人の荒々しいSEX。
 だんだんと借金が嵩んでいく剛三に、松永は更に由美との結婚を要求する。偶然立ち聞きしてしまった由美は、父の置かれている状況を知り愕然となる。かつて海女頭をしていたというよし乃の店で、ヤケ酒を呷る由美。自嘲的に「相手はお金持ち……だから前祝い……」と割切って覚悟を決めた。未だ言い出しかねている剛三の気持を察した由美は、ある日、自ら進んで松永をドライブに誘う。岬でそら仮祝言とばかりにSEXに励む松永。が、意外と性技に長けた由美に、逆に組み敷かれて翻弄される始末だった。
 愛子と奈津の両方から委任状を手に入れた順平は、再び芙佐に挑みかかるが、今度はよし乃の妨害にあう。殴られる順平を庇う芙佐を見て、よし乃は芙佐の本当の気持を想う。
 「お前、まだ、こんな奴に…」補償金のピンハネ分全てを自分のモノにしようとする松永の魂胆を知った順平は、松永の留守中、委任状の山を盗み出し、警察に出頭するという。改心した順平とのヨリを戻す芙佐だったが、療養中の祖母を抱えての暮しは楽ではない。
 芙佐の出生の秘密を知っているよし乃は、芙佐と順平の幸せのために剛三のところへ出向く。芙佐は、実は剛三が海女に手をつけて産ませた娘で、由美とは腹違いの姉妹だったのだ。剛三に認知を促すよし乃の口から、真実を聞かされた由美は、死んだ母が親切にしていた芙佐に嫉妬して、苛め続けて来たことを、柿としての芙佐に詫びるのだった。
 松永との結婚を前にして、由美が立ち寄った民宿の部屋の中で、修司は夏風邪で唸っていた。一晩中必死で介抱する由美。一方、帰って来なかった由美の件で、松永が剛三にまくしたてている頃、東西観光開発の社長が突然町に到着した。修司が社長の息子と知り吃驚する松永。修司の継母は、社長に修司との仲の良さを疑われて自殺したのだが、その誤解も解けた。松永のあこぎな手口も香織からの情報で分かり、会社は全面的に手を引いて、自分も引退することにした、と社長。こうしてひと騒動は全て丸く収まり、海女になる決意を固めた由美は、修司たちの船が去りゆくのを、突提の先でいつまでも見送るのだった。