トリプルレイプ
夜間高校の美教師

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◆スタッフ◆製作:サカエ企画/提供:Xces Film/脚本:岡輝男/監督:新田栄/撮影:千葉幸男/照明:高原賢一/編集:酒井正次/録音:シネキャビン/助監督:加藤義一/スチール:佐藤初太郎/現像:東映ラボテック
◆キャスト◆岩崎亜希子:中條美華/鈴木かおる:倖田李梨/山田純子:藍山みなみ/渡辺邦彦:池田光栄/後藤アキラ:野村貴治/古谷五郎:岡田智宏/西川哲也:丘尚輝/渡辺信彦:都義一
◆解説◆ 夜間高校に通う生徒たちには、色々な事情がある。経済的に全日制の高校に行けなかった人や、病気や怪我で通えなくなった人…と様々である。年齢に関しても上は80才から下は16才と幅が広い。そんな夜間高校を舞台にした今回のお話『トリプルレイプ 夜間高校の美教師』です。
 主演は中條美華。ストリッパーを経て映画の世界へ初挑戦。ストリップ仕込みの軽やかな身体で男の股間を刺激する。
 監督は新田栄がお贈り致します。
◆ストーリー◆ 東京のとある定時制高校である。女教師・岩崎亜希子が受け持つクラスでは、卒業試験が行われている。それぞれ事情を抱えこの教室に集まっている生徒たち。彼らは年齢も職業もバラバラだったが、高校卒業と言う目標に向けて試験に取り組む姿は、皆、真剣だ。
 しかし、ここまで来るにはいろいろなことがあった。試験監督をしながら、亜希子は赴任当時の自分のことを想い出す――
 かつて、亜希子は進学校で有名な私立の全日制高校で教鞭を振るっていた。生徒たちは勉強が出来、亜希子の評判も良かった。その一方で、彼女は同僚の教師・西川哲也と不倫していた。ホテルでの密会。ところが、それが教育委員会にバレてしまう。結局、亜希子の異動で事態は収められたが、亜希子はその処分に納得がいかなかった。与えられた赴任先が、定時制高校だったからだ。しかし、西川の「1年だけ我慢してくれ」と言う説得に折れ、彼女は赴任することになった。
 定時制高校での最初の授業。亜希子は、生徒たちの学力の低さに驚いた。しかも、それを指摘するや反撥の声があがった。「あんたみたいなインテリに、俺たちのことが分かってたまるかよ」
 あの時は、辞めたいと思った。試験監督をする亜希子の目に、ひとりの生徒の姿がとまる。木村竜夫。亜希子に、反撥の声をあげた生徒だ。全日制の高校をドロップアウトした竜夫は、昼間は運送会社で働いている。その彼が学校にあまり姿を見せなくなったのは、6月頃のことだった――
 校長の命令で、亜希子は竜夫の様子を見に行くことになった。「どうして私がこんなことまで!」不服だったが、これも全日制の高校に戻るため。亜希子は、竜夫の仕事先へ顔を出した。そこには、額に汗して働く竜夫の姿があった。
 昼休み、竜夫に学校に来ない理由を尋ねると、従業員がひとり事故で入院し、その分、竜夫の仕事が忙しくなってしまったと言う。「俺たちは体が資本だからよ、怪我したり休んだりしたらいっぺんにおまんまの食い上げなんだ。夏休みにも給料の出る先生たちとは違うんだよ。仕事の邪魔だ、帰ってくれ!」
 だが、亜希子だってここで引き下がる訳にはいかない。竜夫を登校させられなければ、査定に響く。そこで、彼女は竜夫の仕事を手伝うことにした。「先生になんて出来ねぇ」と言われたが、懸命に重い荷物を運んだ。
 仕事が終わると、竜夫は病院へ行くと言った。怪我した仲間の見舞いに行くのだ。結婚したばかりの同僚は、乳飲み子を抱えている。竜夫は、オーヴァーワークして稼いだ分の給料を、彼に渡していたのだ。
 竜夫がクラスに戻って来たのは、その二ヵ月後だった。
 ある日、亜希子は学校の近くでウロウロしている竜夫を見つけた。声をかけると、「また、学校に通いたいんだけど、いいかな?」と言った。実は、竜夫に彼女が出来たのだ。
 竜夫の彼女は、会社の事務員・山田純子だ。きっかけは、一生懸命働く竜夫の姿に、純子が惚れたのだ。竜夫のアパート。純子を抱く竜夫。それからしばらくして、純子は妊娠を告げた。
 「俺、オヤジになるんだ。だから、高校くらい出た方が、もっと給料の高い仕事に就けるだろ?」 照れ臭そうに亜希子に告白する竜夫。亜希子は、そんな彼を教室に歓迎した。
 試験監督する亜希子の目に、次に飛び込んで来たのは女生徒でホステスの鈴木かおるだ。
男に騙されてばかりのかおるは、ある日、眠剤を飲んで自殺を図る。それを助けたのは亜希子だった。男に騙されないように、少しは頭がよくなるように、定時制に通い始めたのにちっともよくならないと嘆くかおるを、亜希子は慰める。
 そんなかおるが見つけた小さな幸せ。それは、同じクラスの岸田和彦との恋愛である。戦後の大変な時代、家計を助けるために学校に通わず働いた和彦。上京し、工場に就職、早くに妻を亡くし、男手ひとつで息子を大学にもあげた。停年を迎えた彼は、一念発起して定時制高校に通っていた。
 和彦には、目標があった。文盲である自分を恥じて家を出て行った息子に、漢字を使った肉筆の手紙を書くこと。その為に、人一倍勉強した。それを支えるかおる。ふたりは、保健室に忍び込んでHした。ちょっと不良になった気分。青春を取り戻そう!
 卒業試験が終わった。答案用紙を回収する亜希子。生徒たちが、三々五々と帰って行く。そこへ、ひとりの男が亜希子を訪ねて来た。男は、黙って亜希子に封筒を渡した。それは、和彦が息子に宛てた手紙だった。男は、亜希子に言う。「父が、大変お世話になりました――」
 和彦は、病院で亡くなっていた。その数日前、息子の消息を知った和彦は、病床で手紙をしたため出していた。手紙には、和彦が高校へ通っていることがめんめんと綴られ、最後に「卒業式に来て欲しい」と書かれていた。
 ひとり教室で、その手紙を読んでいた亜希子。そろそろ帰ろうとした時、覆面をした3人の男(後藤アキラ、古谷五郎、竜夫)が乱入、彼女をレイプした。亜希子を押さえる五郎と竜夫、陵辱するアキラ。彼は、竜夫にも姦れと指示した――
 実は、アキラと五郎は竜夫のかつての不良仲間。最近、鑑別所から出て来たのだが、竜夫の幸せそうな暮らしぶりに嫉妬して、彼を脅迫したのだ。「なぁ、また昔みてぇに女を姦っちまおうぜ。イヤだとは言わせない。お前の可愛い嫁さんがどうなってもいいのか!」
 断れなかった。今の暮しを壊したくない。竜夫は、亜希子を犯した。その瞬間、亜希子はそれが竜夫だと察する。何か事情があるに違いない。されるがまま、身を任した。
 男たちが去った後、教室の床に倒れている亜希子。彼女は嘆いていた。自分の身の上に起こったことではない。こうなってしまう生徒の身の上を。亜希子は、涙を拭くと、立ち上がった――
 卒業式を終えて、亜希子は西川と再会する。「一年間、よく我慢したな。君の新しい赴任先、見つかったよ」しかし、亜希子はそれを断った。亜希子は、もう一年、定時制高校で教鞭を執る決意をしていた。「私には、ここで生徒たちに教えることがもっとあります」 そう言って、彼女は西川に背を向けるのだった。