団鬼六
縄責め

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◆スタッフ◆プロデューサー・奥村幸土/企画・人尋哲哉/原作・団鬼六/脚本・志村正浩/監督・関本郁夫/撮影・野田悌男/照明・木村誠作/美術・金田克美/編集・鍋島惇/選曲・伊藤晴康/助監督・池田賢一/製作担当・鶴英次/スチール・目黒祐司/現像・東映ラボテック
◆キャスト◆圭子・高倉美貴/ルミ・高橋かおり/雄三・仙波和之/野崎・井上はじめ/土田・益富信孝/黒川・西山直樹/由加・森美貴/マリ・中山あずさ/フミ・尾崎八重
◆解説◆
 冷えきった夫婦関係 夫を愛せない妻と妻を玩具のようにしか扱わない夫。ふとしたきっかけで年下の男と恋に堕ちた人妻を待ちうける淫靡な罠。SM界のオリビア・ハッセーと呼ばれた高倉美貴も、ついにその芳醇な肉体をあますところなく開花する。フェラチオ、剃毛、浣腸責め、亀甲股縛り、SMレズ…羞私をかなぐり捨てて挑戦した。
 監督には、黛ジュン主演の「女帝」で女性の美しさと残酷さを描き出した鬼才・閑本郁夫。その粘りつくような演出は、高倉美貴を本格的な女優として研きあげた。競艶は、監督が関西から見い出した新人・高橋かおり。新人らしからぬ大胆な艶技でハードな責め場をこなしている。
◆ストーリー◆
  銀行の支店長、小林雄三と結婚した圭子は冷え切った夫婦関係に優うつな日々を過ごしていた。
「俺は何の為に若い後妻を貰ったと思う、前の女房にも子供が出来なかった、一日も早く小林家の後継ぎが欲しいからだ」
 雄三は残酷な言葉で圭子をいたぶりながら、夜毎、ブランデーを舐めながら、寝室では圭子に対して一方的な奉仕を強いていた。
「唇で吸え、舌でなめろ…歯を立てるな!」
 フェラチオをさせながら雄三はいっこうにセックスをしようとはしない。欲求不満が圭子の身体にくすぶり続ける。
 夫が外出した後、圭子は一人で恥ずかしい行為に耽るのだった。
 ある日、圭子は一人で乗用車を運転して湘南の海を見に来た、そこで汚れた海岸を黙々と清掃している青年、野崎と出遭う。
 圭子は彼に対して好感を抱いたが、野崎の方もオートバイで圭子を追いかけて自分の電話番号を教えた。
 圭子の暗い心に一条の光が差し込んだ。
 一方、夫の雄三にはルミという愛人がいて、雄三は圭子とは比べようもなく淫らでセクシーなルミの肢体に狂っていた。
 圭子は野崎に電話をして、再び二人が遭ったその日に、二人は砂浜で熱い愛をかわした。夫からは知らされなかった歓びに圭子は燃え上っていった。
 喜びもつかの間、突然の電話が圭子の絶望の底に突き落とした。
 野崎との現場を写真に撮り、バラされたくなかったら、五百万円持って来いというのだ。圭子は必死にかき集めた百万円を持って指定された喫茶店へ向かった。
 なんとそこに待っていたのは、夫の愛人のルミであった。もちろん圭子がルミを知る筈もない。
 圭子は眼隠しをされて、見知らぬバー「すばる」へ連れて来られた。そこに待っていたのは電話の男、土田であった。
「残りの四百万は、奥さんの躰で払って貰うしかありませんな」
 眼隠しを取ると、圭子の眼に映ったのは赤いロープに無残に縛られたルミと二人の女たちだった。
「奥さん、あんたはもう罠にかかった牝犬も同じだ」
 土田がナイフで圭子のブラウスとブラジャーを切り裂きながら脅かす。
「いい躰だ、一週間で必ず俺好みの女体にして見せる!」
 絶望的に圭子はその場に崩れ折れた。
 家に帰ると圭子の浮気を知った雄三が風呂場で圭子の恥毛を剃り落とした。
 思い余った圭子は野崎に相談すると、逆上した野崎が土田の店に殴り込んだが、あべこべに叩きのめされてしまった。
 逃げよう、と誘う野崎をこれ以上傷つけることはできないと思い知った圭子は野崎に別れを告げる。
 バー「すばる」に圭子が現れた。
「ほう、剃毛までして…用意がいいじゃないか、奥さん」
 かたわらではルミとマリのSMレズがくりひろげられていた。
 連日、圭子は土田の責めを受けていた。浣腸され、縛られたあげく、ついにマスクをかぶった男に秘裂を無惨に貫かれた。
 調教されつくした圭子の肉体は、一気に燃え上った。圭子は野崎との愛を思いだした、が、いま圭子の上に乗っているのは野崎だったのである。
 野崎とルミと土田はグルになっていたのだ。土田が雄三に融資を断わられた仕返しに全ては計画されたことだった。
 圭子の痴態のテープを五千万で買えと言われた雄三が「すばる」に来た。宙吊りにされた圭子、その金具が突然、外れた拍子に圭子の躰が野崎にぶつかり、土田のナイフが常々と野崎の脇腹にくい込んだ。
 呆然とする雄三、土田、ルミの目の前で圭子は野崎の死体を始末した。
 いつの間にか圭子は、女王のように君臨していた。五千万の小切手に火をつけると、圭子は雄三を敗隷のように見下ろした。