ワイセツ家族
母と娘

◆スタッフ◆プロデューサー佐々木志郎山田耕大/脚本那須真知子/監督那須博之(第一回監督作品)/撮影杉本一海/照明田島武志/録音伊東晴康/美術渡辺平八郎/編集奥原好幸/助監督菅野隆/製作担当者東野雅夫/スチール東野雅夫/音楽森まもる
◆キャスト◆有村晶子:志麻いづみ/有村愛子:森村陽子/大河原:汐路章/三島:…阿藤海/美津江:松岡恵美/ミシシッピクインの女:梓ようこ(友情出演)
◆解説◆

 白亜のシャレた洋館でヤモメ暮らしをする初老の役人のもとに、ある日17オの少女がころがり込んできた。愛くるしさと好色さを併せもつ彼女に、真面目さだけが取り柄の男はタジタジ。おまけに少女の母親、そして男の親戚夫婦も居すわり、それぞれの思惑と欲望が複雑に入り組んでセックスパニックが起きる。
 主演は母に志麻いづみ、少女に森村陽子、他に新人の松岡恵美。
 監督は、これがデビュー作になる那須博之で、夫人の那須真知子が脚本を担当した「家族」ロマンポルノになった。
◆ストーリー◆
 役所に勤めている大河原は、東京の一等地にある大邸宅でやもめ暮らしをしている定年間際の男である。彼は役所の帰り同僚の宇野を誘って、行きつけのバー「ミシシッピクイン」に立寄った。大河原はそこで愛子という若い踊り子に出会った。彼女は、17才の愛くるしい顔をした娘である。大河原は、ちょっとした出来事から愛子を自宅に泊めることになった。その夜、愛子は裸のまま大河原のベッドに入り込んで彼に求めてきた。大河原は自分の娘のような愛子に興奮し、老体にムチ打って彼女の求めに応じた。
 愛子が自宅に来て数日たったある日、大河原がくつろいでいると30前後の和服の女、晶子が尋ねてきた。彼女は愛子の母親だと名のり大河原を驚かせたが、晶子の家事の仕事ぶりは彼の目を見張らせるものだった。晶子はその晩、大河原邸に泊まったが大河原は偶然の母娘の再会を不思議に思わなかった。実は、この母娘の目的は大河原邸を乗っ取ることだったのである。
 何も知らない大河原、それに晶子、愛子の奇妙な生活が始まった。愛子と共に暮らしているうち、大河原は幼い彼女に心がひかれていった。そしてついに大河原は愛子と結婚する決意をした。ある晩、いきつけのバーで二人の結婚披露宴が行なわれたが、大河原はうれしさのあまり心から酔い、醜態をさらして周りの人から爆笑をかった。しかし、晶子と愛子は二人の計画を一歩進めたことに内心ほくそ笑んでいた。結婚してからも愛子は、毎晩大河原を求めた。彼は若い愛子と違って体力がもたず、彼女の求めにはなかなか応じられなかった。それは体力や年のせいだけではなく、晶子との関係も続けていたからである。定年も過ぎた大河原は、歯をくいしばって晶子母娘の求めに応じなければならなかった。
 三人の淫らな生活が続いたある日、大河原の甥、三島とその妻、美津江が、大河原邸の敷地にホテルを建設する計画をもって来た。大河原と晶子はその計画に反対だったが、若い愛子だけはなぜか賛成だった。
 翌日三島は、自分の部屋に愛子を誘っていきなり躯を求めた。欲求不満気味の愛子は、三島のテクニックにわななき、夢中で彼にむしゃぶりついていった。愛子で味を覚えた三島は、晶子に誘いをかけた。晶子は若い愛子と違い激しく抵抗して三島をてこずらせたが、彼の絶妙なテクニックに負け、自分の気持ちとは裏腹に躯の方が応じていった。二人の情事をのぞいていた大河原は、事を終えた晶子を部屋に連れ込んで強引に彼女を求めたが、嫉妬に狂ったものの、あっけなく昇天してしまい、晶子をがっかりさせるだけだった。
 花見に総出で行った際、晶子は美津江に三島との情事の一部始終を話した。憤慨した美津江は家を出ると言いだしたが、奇妙で淫らな生活に溺れた身を、正常に戻すことができず結局は大河原の家にとどまった。その夜、大河原の寝室では彼と愛子、晶子と美津江が互いの躯をむしゃぶり合い、アブノーマルな快楽にふけっていた。晶子と愛子にとってその快感は、邪魔な三島を追い出し自分たちの計画を成功きせた勝利の味に似ていた。